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Special 一覧に戻る  2013年2月7日 記

解散公演「ふくすけ」まであと2週間を控えた劇団PaPrika。今回、PaPrikaとしては初の既製台本を使用した公演となります。
今まで女の子らしさがテーマになるような作品を多く発表してきた当劇団が、なぜ最後の公演にふくすけを選んだのか。
ふくすけ上演にあたる劇団員の思いとは?
今回潤色・演出を勤める、主宰:渡部靖郎に、その思いを語ってもらいました。

『ふくすけ』に至るまで

勝田が発案した″PaPrika″に渡部が居酒屋で乗っかったのが二年前。
旗揚げ公演後、今後の方針として、″演劇という枠に留まらない大きなことがしたい″″学生だからこそ達成できることがあるはずだ”と、 話し合っているときに、『ふくすけ』という作品に出会いました。
この作品と劇団PaPrikaの方針とが結びつき、この作品を劇団PaPrikaの、そしてもしかしたら人生最後の公演として表現したいと考えました。
しかし、メンバーもいない、劇団としての規模も小さいという中で、いきなり公演を行っても多くの方に観ていただけないはず。 そのため、一年のスパンで計画を立て、劇団としての規模を大きくしていこうと考えました。(1年に5公演7作品という無謀な計画でしたが・・・。)
公演を単体でなく、流れで見せようと、この一年やってきました。

『ふくすけ』をやるにあたって

生まれた環境や育った過程で、自己のアイデンティティは対人関係の中で規定されると思う。
若者は新橋で呑んでぐだぐだ言ってるオヤジや酔っぱらって電車に乗ってくるおっさんをバカにし、
一方で大人は居酒屋で騒いでる若者や無気力な若者をバカにする。
生まれも育ちも地方でフリーターをやりつつ自分の境遇に悩んでいる人間にとっていいとこ育ちの東大生なんかはかっこうの非難の対象で有り、
一方で東大生は高卒や中卒で働いているような人間をどこかでバカにする。

みんな同じ人間であるのに、そうやってバカにしたり変に特別視しすることで、自分を規定し安住している方がバカだと思うんです。
みんな、かわらない。
それぞれの境遇で、同じように必死に行きているだけだと思うんです。
皆が必死に生きている、そんな世界が綺麗だと・・・そう思うんです。

「ふくすけ」ストーリー

冴えない中年男【エスダヒデイチ】と、精神のバランスを崩し他人を告訴してばかりの妻の【マス】。
ある日行方不明になったマスを、ヒデイチは14年も探し続けている。
マスは歌舞伎町にいるらしい、との情報を得たヒデイチは上京し、偶然出会ったホテトル嬢の【フタバ】、 彼女の昔の恋人で、自称ルポライターの【タムラタモツ】の協力を得ながらマスを探すことになる。

一方、とある病院の怪しい警備員【コオロギ】は盲目の妻【サカエ】に歪んだ愛情を抱き、サカエはコオロギを献身的に愛していた。
そんなある日、コオロギの勤める病院に一人の奇形児が入院することになる。
彼はミスミ製薬グループの御曹子【ミスミミツヒコ】に14年も監禁されていた、ニュースで話題の少年であった。

吃音、盲、奇形児、レズビアン、DVにDVD、宗教、政治、風俗業界…
異常と普通が入り混じり、最後に行き着くところは果たして。


—各公演を経て、着実に力をつけてきた劇団PaPrika。今までのPaPrikaとの作風とは一見つながらないようでありながら、これまでの公演は 今回の解散公演のためにあったと言っても過言ではないほど、PaPrikaらしさと気合いに溢れた「ふくすけ」をお届け致します。
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